心を平静に戻しホルモン分泌を調整する

ゼラニウム

アロマテラピーとは、
人間と植物と動物の目に見えない関係を注意深く探り、
自然の知恵を生かした暮らしを送るためのテクニックです。


私たちは環境変化に適応していくために様々な自己調節機能を有しています。例えば、急激に気温が上昇すると汗を出して体温の上昇を抑え、逆に気温の低下には体を震わせて熱を発生させます。アロマテラピーで用いるエッセンシャルオイル(植物精油)にはこのような自己調節機能がバランスを崩した場合に調和を取 り戻す働きがあります。

その中でも特に調整作用に秀でた精油に今回ご紹介するゼラニウム(学名Pelargonium Odorantissimum)があります。ゼラニウムの精油はストレスによって激高したり落ち込んだりした心を平静に戻したり、ホルモン分泌の調整や皮脂の分泌の調整の目的で用いられ、ほのかにバラの香りが漂うことからも女性に人気のハーブとなっています。

このゼラニウムのもう一つのユニークな使用法に防虫剤としての活用があります。植物の香りと昆虫との関係には、かぐわしい香りでミツバチを招き寄せ受粉を促したり、その反対にある種の香りによって虫の攻撃を防いだりといったふたつの面があります。前者を誘引効果、後者を忌避効果と呼んでいます。したがって後者を利用することで防虫効果を期待することができるのです。化学合成による殺虫剤は強力な効果をもたらす一方で、私たち人間にも害を与えたり、自然の生態系を乱すなどのマイナス面を持っています。強力な抗生物質の投与で病原菌だけでなく腸内の有用菌をも死滅させ、生体の免疫力を低下させてしまうことと比較すると、影響は体の外と内のちがいがあるもののよく似た構造といえるでしょう。東洋医学では大自然と人間の関係を大宇宙と小宇宙にたとえますが、まさにその関係であることがわかります。

フランスの実験生理学者クロード・ベルナールは、人間の体内の環境をテライン(体内環境)と捉え、病原菌による感染の原因を菌の側に求めるのではなく体内環境の悪化に求めました。テラインとは地球とか土壌といった意味ですが、テラインを質的に向上するといった概念は東洋医学でいう養生の思想にあたるものだと思います。このような考え方が東洋だけでなく西洋にもあったことに注目したいと思います。


アロマテラピーはいうまでもなく自然療法であり、より強力なもので他者を破壊するといった方法論ではなく、どこかで折り合いをつけて共存をめざす考 え方であることを忘れてはいけません。アロマテラピーとは、人間と植物と動物(昆虫)の目に見えない関係を注意深く探り、自然の知恵を生かした暮らしを送るためのテクニックといえます。

田圃のあぜ道にハーブを植え、防虫効果を期待することで無農薬栽培をめざすといった試みがわが国でも始まっています。防虫にハーブの一種である除虫菊を用いた古来の知恵の復活に期待したいと思います。

アロマテラピー 暮らしの実践講座

1.芳香浴
エッセンシャルオイルの香りを香炉や芳香器で空気中に揮発させる方法です。

▼使用法:香炉の上部の皿に少量の水を入れ、そこにエッセンシャルオイルを3、4滴たらします。しばらくすると香りが漂います。
★例:香炉を窓辺に置くと虫の侵入を防ぐことができます。寝室では火を使わない電気式の芳香器を用いると安心です。

2.エアーフレッシュナー
エッセンシャルオイルを用いて芳香用のスプレーを作り、空気中に噴射する方法です。

▼使用法:消毒用エタノールまたは無水エタノール5mlにエッセンシャルオイル5滴をたらしよく混和した後、水95mlで希釈し全量100mlをスプレー容器に入れます。
★例:野外キャンプなどに持っていき、空気中に噴射したり、服にスプレーすると虫を寄せ付けません。

3.オイルマッサージ
エッセンシャルオイルを植物油に希釈して、それをマッサージすることにより皮膚から体内に浸透させます。

▼使用法:ホホバ油10mlにエッセンシャルオイル1~2滴の割合で希釈してマッサージオイルを作り、お風呂上がりにマッサージしてすり込みます。
★例:生理痛や生理前症候群に、下腹部や腰にマッサージしてすり込むと、ホルモン分泌を調整して症状を緩和することができます。

 


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