自然食レストランの定番メニュー

ダンディライオン

ダンディライオン・コーヒーは
一般にはタンポポコーヒーといわれ、便秘を予防します。

林真一郎(薬剤師 グリーンフラスコ(株)代表)

ジャーマンカモミールであれば花部、ペパーミントであれば葉部というように、メディカルハーブとしての使用部位はハーブの種類によって決まっているのが通常です。今回紹介するダンディライオンは葉部と根部のいずれも使用し、さらにその使用目的が異なるといった珍しい例です。
まず葉部ですが、この部分を表すフランス語の・ピサンリ・が寝小便とか小便小僧を意味することからもわかるように利尿効果を発揮します。洋食のサラダにこのピサンリが供されることがありますが、食べた後にトイレに行きたくなるのもこのような理由があるのです。
この利尿作用は代表的な利尿薬であるフロセミドに匹敵するほど強力ですが、こうした医薬にみられるような副作用(低カリウム血症)の心配がありません。何故なら葉部に多量のカリウムを含むため、排出されるカリウムを補うことができるためです。


次に根部ですが、この部分は苦味質のタラキサシンやイヌリン、それにビタミンやミネラルを豊富に含み、ダメージを受けた肝臓を回復させる強肝作用を発揮します。したがって葉部が利尿作用を持つのと併行し、根部は消化不良による便秘に緩下作用(穏やかな下剤の働き)を発揮します。 
根部を掘った後に 1cmほどの長さに切断し、豆を煎る手網で焙煎してから、紅茶をいれる要領で抽出するとダンディライオンコーヒーができます。これは正確に言えばダンディ ライオンティーですが、自然志向の人たちがコーヒーの代わりに飲むためにこの名前が広まり、今ではノンカフェインのヘルシーコーヒーとして自然食レストランの定番メニューになっています。


さて、ダンディライオンの茎は手で折ると乳白色の汁が出てくるところから、昔の人は催乳作用(母乳の分泌を促す作用)があるのではないかと考えました。これは単なる空想ではなく、根部が強肝作用を発揮し、また各種の栄養素の補給によって実際に催乳作用が期待できます。
このように植物の形態や色彩からその薬効を類推する考え方は象徴論(シンボリズム)と呼ばれます。科学的な分析技術が確立される以前の時代では、植物と向かい合ってじっくりと観察し、そこに潜むメッセージを読み取ることが薬草療法士(ハーバリスト)の仕事だったのです。植物は匂い、味、色などによってもサインを出しています。ちなみに苦味は胃腸や肝臓などの消化器系に活力を与えます。そしてこの匂いを活用したものが現在のアロマテラピー(芳香療法)と言えるでしょう。科学万能の時代に、五感をフルに活用して植物と生きた交流をはかった先人たちの知恵に学びたいと思います。

1.ハーブティー

●食後の消化機能の促進に
焙煎した根部小さじ1杯(3g)を熱湯200mlで3分間抽出し、煎茶の代わりに食後に服用します。腹部の張りや便秘を予防することができます。

●肉体疲労の回復や滋養強壮に
焙煎した根部小さじ1杯・3g)を熱湯60mlで3分間抽出し、さらに牛乳140mlを加えて再び弱火でじっくり加熱します。風味豊かなダンディライオンオーレが楽しめます。

●出産後の催乳や便秘の予防に
焙煎した根部小さじ一杯とスィートフェンネル小さじ1杯をブレンドし、熱湯200mlで3分間抽出し、1日3回毎食後に服用します。
ダンディライオンコーヒーはカフェインを全く含まないため妊産婦にも安心して楽しめます。スィートフェンネルの甘みが味を整えると共に、わずかながらホルモン分泌の調整作用があるためダンディライオンの催乳効果に相乗効果を発揮します。またこの時期にありがちな便秘を改善します。

2.ハーブジュース

●むくみや体内の浄化に
ダンディライオンの生の葉をジューサーにかけ、でき上がったフレッシュハーブジュースを1日3回30ml〜20ml服用します。
体の中の余分な水分や老廃物を排泄します。


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