神々に詣でる熊野古道(三重県・和歌山県) 水を生きる

神々に詣でる熊野古道(三重県・和歌山県)

たまほこの

世界遺産に登録された熊野古道は、平安時代より続く巡礼の道である。
豊潤な自然に恵まれた紀伊山地に点在する霊場熊野三山(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野邪智大社の三つの神社と邪智山青岸渡寺、補陀洛山寺の二つの寺院)を巡り、熊野難に至る南方浄土信仰への道であった。その道筋にある、今なお幽玄米さをたたえる森には千年の古木がひっそりと息づいている。
しかしこの神霊な森も明治期に伐採の危機に陥ったことがある。この地方出身の世界的植物学者、南方熊楠は日本で初めて「エコロジー」(生態学)という言葉を使い、官憲に捕まりながらも身を挺して、紀伊山地の自然荒廃に立ち向かった。木を切れば森が潰れ、水が洩れ涸れ、農業が、漁業が潰れていくと訴えた。
それは、日本人のアイデンティティである自然崇拝思想や、そこから一繋がりになっている日本人の日常の営みが破死すると考えられたからである。
熊野の森は守られ、熊野川、吉野川、紀ノ川などの水系も保たれ、幾多の恵みをこの地方にもたらしている。


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